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アイデアを具現化し続ける園芸用品・木製品の製造メーカー|カネコ総業

こんにちは!
株式会社MGNET(以下、MGNET)所属三条市地域おこし協力隊の今井です。
MGNETでは若手スタッフで「新人ズ」を結成し、地域を学ぶことを目的として、いろんな企業や店舗へインタビューに周っています。
そんな中で今回は、ふるさと納税に返礼品を提供しているカネコ総業株式会社様(以下、カネコ総業)にお話を伺ってきました。

1400もの商品点数をもつ製造メーカー

今回インタビューに答えてくださったのは、代表取締役の金子薫さん(写真左)と取締役部長の金子昇さん(写真右)。

「カネコ総業は木工屋として、支給された材料をもとに玄能など工具類の柄を加工することから始まりました」

創業1957年に工具類の柄の加工から始まり、次第に鍬など農機具の柄の加工も行うようになります。
そして周りに鍛冶屋がたくさんあったことから、柄だけつくるのではなく鍬の刃など頭部を仕入れて完成品まで製造するようになったことで、下請けからメーカーへと業態を変えていきました。

今やカネコ総業が販売する商品点数は1400点にも及びます。
なぜこんなにも多くの商品があるのでしょうか。

「たとえば、柏崎と魚沼でも使う農機具が違うんです」と代表の金子さん。

その地域の土質によって、柄の長さや刃の形、角度が違う商品が存在するんだそう。農機具はそれぞれの地域に根ざした形が存在するために、ここまで多くの商品点数となっているそうです。

カネコ総業は、農機具を使い慣れていない人へ向けて商品の解説動画をYouTubeで発信しています。始めたのは、まだ現在ほどYouTubeで動画を発信することが一般的ではなかった10年前。部長の金子さんが撮影から編集まで全てを手がけていたそうです。

農家の人など農機具に慣れている人は使い方が分かりますが、これから農業や家庭菜園を始める人や経験が浅い人は正しい使い方が分からず、使い方を間違ってしまうと柄の部分が壊れたりしてしまいます。そういった初心者の方へ向けて、正しい農機具の使い方を伝えるために動画発信を始めたそうです。
まだYouTubeが普及するより前から先駆者的に動画発信を行っていたことを伺い、時代を先読みし新しいことにどんどん取り組んでいくカネコ総業の姿勢を感じました。

そして、カネコ総業はものづくりの会社としては珍しく、女性がとても多い職場となっています。なんと従業員20名のうち、男性社員は3名だけなのだそう。

「あえて女性だけ集めた訳ではないのですが、自然とそうなっていました。男性の社員も増やしていきたいです。」と代表の金子さん。

現場の中でも力が必要な作業は男性社員にやってもらいながら、他の大部分は女性社員が担っています。

また、カネコ総業では子育て中の社員でも働きやすいような環境が整えられています。たとえば勤務時間は個人に合わせて融通を効かせるなどしているそう。子育て中の社員にとってネックとなっている部分をカバーすることで、女性も含めて、多様な人材が働き続けられる職場となっています。

そんな女性社員が多いものづくり企業だからこそ生まれた女性目線の商品があります。

使う人が明るい気持ちになる農機具『Lacuno』

カネコ総業が販売している農機具の中に、鮮やかなピンク色が特徴的なLacunoという商品があります。
農林水産省の推進でスタートした農業女子プロジェクトに参画し、日本全国の農業女子の意見を取り入れながら開発した商品です。農業女子プロジェクトとは、全国各地の女性農業者と企業とが連携し、新たな商品やサービス、情報などの開発を行うプロジェクトです。

「農機具というと男性目線でつくられたものばかりで、色も黒やステンのものしかなかったんですよね。他の業界では商品にいろんなカラーバリエーションが出ていて、私たちがつくる商品にもカラーをつけてみたいと思っていました。」と代表の金子さんは話します。

「Lacunoを使う人が、明るく、楽しく、元気になるような商品になればという想いを込めて開発しました。そして、持っている人が人に自慢したくなるような商品になって欲しいです。」と話す部長の金子さん。

Lacunoでこだわっている部分は可愛らしい見た目だけではありません。
性能にも、とことんこだわりが溢れています。

たとえば桜の模様が特徴的なショベル。

この商品は柄の部分をアルミにすることで、従来のショベルよりも30%以上軽くなり、女性でも使いやすい仕様になっています。その他にも、柄についている目盛りは、種を植えるとき種同士の間隔を空ける目安にできるように、ショベルの三角縁上の部分は足をかけやすいようにカーブがついています。また、見た目としても特徴的な桜の穴の部分は、地面を掘った時に粘土質の土が離れやすいような構造になっているなど、使いやすい工夫が散りばめられています。

「Lacunoを完成させるまでの道のりは簡単ではありませんでした」と話す部長の金子さん。

女性が使いやすいように軽量化を目指しながらも、農機具として軽すぎると性能が落ちてしまうため、ある程度の重みも必要となります。女性が長時間使っても疲れないように、例えば鎌のハンドル部分にはフィットグリップという工夫を施し、手にフィットする形状にすることで、握力30%オフを実現しています。

農機具としての性能をより極めるために、新潟県工業技術総合研究所で実験を行い、数値化して検証を重ねたり、農業女子プロジェクトで実際にモニターさんに使ってみてもらい、フィードバックと改善を重ねることで、見た目も性能も妥協せずにつくり上げたLacunoが誕生しました。

社員の声から生まれる新商品

三条市のふるさと納税で提供している商品はLacunoの他に、YORI-SOという少し変わった形のお箸があります。
この商品は本体にマグネットが埋め込まれており、その引き合う力を利用して掴みやすさを追求した商品となっています。


この商品は、カネコ総業と繋がりのある職人さんの声からアイデアが生まれ、共同開発したそう。
手が不自由な人は箸が使いづらく、だけどスプーンやフォークばかりで食べるのも味気がない。そんな人へ向けて、軽い力でもお箸が使えるような設計になっています。
手を動かしづらい人や力が弱くなってきた年配の方、そしてお箸に不慣れな外国の方もお箸で食事が楽しめるような、日々の食卓に「寄り添い」を提供しています。

また、YORI-SOはレストランや飲食店で盛り付けトングとしても愛用されています。
「金属製のトングだと食材を傷つけてしまうことがある。YORI-SOは木製なので食材が傷みにくく使いやすい。」とシェフの方から好評だそうです。

多くの新商品を開発しているカネコ総業ですが、Lacunoを立ち上げたことが新商品開発のアイデアが活発に出るひとつのきっかけとなった、と話します。社員から「こんな製品があったらいいのでは!」というアイデアが日常的に出るようになりました。

「会議としてやるとなかなか出てこないけど、意外と普段の会話からアイデアが生まれるんですよね」と話す代表の金子さん。

カネコ総業のすごいところは、そのアイデアをアイデアだけで終わらせずに、商品としてしっかり具現化するところです。

「この地域には鍛冶屋さんやプレス屋さんを始めとしていろんなものづくりの会社が揃っています。作りたいものを作れちゃう地域なんですよね。」と部長の金子さんが楽しそうに話してくれました。

さらに、木工屋だからこそ持っている繋がりを駆使して、全国から様々なものを取り寄せることが可能で、幅広い商品をつくることができます。インタビュー中には、以前つくったというドラムスティックまで見せていただきました。

アイデアを具現化し続けるものづくり

代表の金子さんは今後の展望について、

「今後も農業女子のメンバーとお話ししながら商品開発をしていきたいです。ゼロから商品開発をするのではなく、男性目線で出来た商品を女性目線の商品に作り替えていきたい。」と話してくれました。

昔は男性イメージの強かった農業の分野に、女性目線の可愛らしく、かつ、使いやすい農機具が展開されていくことで、女性を始めとした多くの方が農業に参入しやすくなるのではないでしょうか。

さらに、現在は農業だけではなく、なんと水産業で使う商品の開発も始めています。農業女子プロジェクトを通じて知り合った、農業と水産業を兼業するユーザーさんの要望から話が生まれたそうです。
ユーザーの声に耳を傾け、「こんな商品が欲しい!」という想いからアイデアを具現化し、見た目、そして性能にも妥協せず新商品を開発し続ける姿勢から、カネコ総業のものづくりに対する誠実さと情熱を感じました。

農業に関わっている方だけではなく、興味を持っている方、そしてこれから始めようと思っている方はカネコ総業の商品を手に取り、ぜひその魅力を体感していただきたいと思います。

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【企業情報】
カネコ総業株式会社
〒959-1113 新潟県三条市大面65
TEL:0256-45-2249
FAX:0256-45-5036
企業HP:https://kaneko-sougyo.com/index.html

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