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空き家からまちについて考える

2022年8月1日付けで三条市の地域おこし協力隊に着任しました佐藤芳和よしかずと申します。
地元である三条市へ15年ぶりにUターンし、空き家相談員として空き家の発掘・流通と利活用をミッションに、特命空き家仕事人である熊谷浩太さんと共に同世代二人三脚で日々奔走しています。

はじめましての方がほとんどだと思いますので、今回は自己紹介も兼ねつつ空き家相談員の活動の紹介をさせていただければと思います。どうか最後までお読みいただければ幸いです。何卒っ!

特命空き家仕事人の熊谷さん(左)と筆者(右)


自己紹介

生まれも育ちも三条(旧下田地区)
平成元年生まれ
趣味:映画鑑賞・特技:積読の33歳

実家は18代続く農家で進学を期に上京し、大学では建築を専攻していました。卒業後は都内のアトリエ設計事務所へ就職し、建築設計を中心に家具の設計・製作やまちづくりプロジェクト等、スケールや種類も異なる仕事を担当していました。
2021年に前職を退職し、「,and SA」という屋号の建築設計事務所を立ち上げて独立しました。

2022年に地域おこし協力隊として三条市に戻ってきました。三条に腰を据えて生活するのは実に15年ぶり。15年という年月は何かが変わるには十分すぎるほどで、地元でホームでありながらどこかよそよそしさも感じる日々は新鮮であり、不思議な感覚です。

前職で担当した住宅改修
独立直後に設計したカフェ+コワーキングスペース


空き家相談員って、、、何?

前置きが長くなりましたが、そもそも空き家相談員って何?という方もいらっしゃるので、そろそろ本題へ。空き家相談員の活動内容は大別すると主に以下の4つになります。

1)空き家に関する相談業務
2)空き家の流通および利活用の促進
3)空き家バンクの運用および利用希望者と所有者のマッチング
4)空き家所有者への意識啓発、特定空家等(※1)の除却 

※1 特定空家等
国土交通省「空家対策特別措置法」における、保安や衛生面、景観、周辺環境への影響を元にした基準のいずれかに該当する危険な空き家のこと。https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001385948.pdf

おおまかに言えば日々集まる空き家の情報をとりまとめ、空き家バンクを用いることで積極的に流通させ、利活用を促進していこうというものです。


三条市の空き家の現状と空き家の発掘

三条市内の住宅総数36,750戸のうち空き家は約4,450戸(※2)と推計され、空き家率は実に11.7%におよびます。
ちなみにガリガリ君の当たりの確率は3.2%らしく、三条ではガリガリ君の当たりより高い確率で空き家に遭遇できることになります。

所有者の方が空き家にしたくて空き家になったのではなく、様々な要因で空き家化しています。

・市外に暮らす子どもや親族に相続されたまま放置されているもの
・独居の方が介護施設に入られたり入院してそのまま放置されているもの

など、理由は様々です。

空き家の一つ一つを四つ葉のクローバーを探すように地道に探し、日の目を見るようにするのが空き家相談員の仕事の一つです。空き家の発掘は空き家相談窓口へ直接相談にいらっしゃる場合や、人づてに所有者の方を紹介してもらうケースも多く、所有者の理解があってこその活動です。

 ※2.総務省『平成30年住宅・土地統計調査』より

空き家の現況調査
築100年超えの空き家


空き家を流通させる仕組みとしての空き家バンク

不動産的に価値がないと判断され、市場に出回らない場合が多いのも空き家の特徴の一つと言えるかもしれません。
食べられるのに規格を満たしていないために市場へ出回らない規格外野菜をイメージするとわかりやすいかもしれません。

そうした空き家を広くアクセスできるようにする仕組みが空き家バンクであり、登録によって市場への空き家の流通量を増やすことができます。

結果、移住希望者や新規出店希望者が場所を探す際、他の建物と同様に空き家を選択肢の一つとしてあげることがで可能になります。しかし、まだまだ空き家バンクの制度(と我々の存在・取り組み)そのものを知らない方も多いため、いかに周知し続け、認知度を高めていくかが直近の課題です。

空き家バンクのスキーム


空き家の活用は手段でしかない

空き家相談員の活動の目標の一つとして「空き家ゼロ」があげられると思います。

一方で空き家がゼロになったとして、その先に何を目指すのか。

つまり、空き家を通じて何をしたいか。

大事なのはビジョンを考えることであり、空き家の活用はそのための手段の一つでしかないということです。ここでいうビジョンとは「どのようなまちを目指すのか/暮らしをしたいか」と言い換えられるかもしれません。もちろんビジョンは人の数だけありますから、様々なビジョンによってまちが形作られることはとても大事なことです。

空き家の活用により生まれた交流や事業等の新たな地域資源の萌芽をどう育て、カルチャーとしてどう根付かせるか。そしてその先にどのようなまちであってほしいと願うのか。私自身も協力隊の活動を通じて、考えていければと思います。

これから3年間よろしくお願いします。



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