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#06 都会育ちの夫が、田舎という異文化に慣れるまで
前回は、移住に際して1番大変だったという、夫・剛寛さんとの移住検討の話し合いについてお伺いしました。今回は、移住したあとの暮らしや、ご夫婦で大切にされているコミュニケーションについてお伺いしました。
ー美里さんは田舎育ちで旦那さんは都会育ちということですが、実際に移住してみて、三条での暮らしについてどう感じているのでしょうか?
もともと田舎育ちの私にとっては『そうそう、こうやって育ったなぁ』という懐かしい感覚があるのですが、夫にとってはまるで新しい『異文化』という感覚が強かったみたいですね。
移住ネタのあるあるで出てくる『自治会作業』なんかはその代表例だと思います。集落のみんなで協力して草刈りや花植えをする、アレですね。
私の場合は自分が参加するのは初めてだったにしても、自治会作業に参加している親の姿を見て育ったので、なんとなく『参加するのは当たり前のもの』という感覚があったのですが、夫からすると最初は『何それ!?』という感じでしたね。
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ー美里さんは自治会に参加することなども大事にされているんですね。
自分が育った環境がそういう文化だからでしょうね。
わたしの地元の魚沼では、毎年春に用水路の泥かき等を住民でやっていて。
母から聞いた話ですが、その作業を業者にお願いするかっていう話が出たことがあったらしいんです。
でも、そうすると唯一そこでしか顔を合わせないような方もいる中で、業者に作業をお願いすると全く顔を合わせる機会がなくなっちゃうんですよね。本当に泥かきだけが目的なら業者を入れる方がいいのかもしれないけれど、顔が見える関係を築くためにやっている部分もあるので、業者を入れるのは一旦見送りにしたって聞いたんです。
そういう風に顔の見える関係を築くために、みんなで生きていくために、自治会があるという感覚がわたしは体感的にありますね。
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ーなるほど。一方、都会だと隣人の顔を知らないのは当たり前だったりしますし、「うちはうち、よそはよそ」みたいな世界観なんですかね。
そうですね。「知らない人とは口を聞いちゃいけません」と教えられて育った夫からしたら、知らない人との共同作業は『異様』だったかもしれないです。
田舎育ちの私からしたら『当たり前』。でも、都会育ちの夫からしたら『異様』なこういった文化を、ひとつひとつ『我が家のスタンダード』として消化していく必要があって。
その過程で、田舎の当たり前に合わせてくれることに対して「そんなの当たり前じゃん」って思うのではなく、そういう考え方を受け入れてくれてありがとねっていうスタンスでいることがすごく大事だなって感じました。忘れてしまいがちなんですけどね。
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海外に留学にいく際には「異文化交流」とよく言いますが、もしかしたら都会から田舎に移住するのも、それくらいの感覚の違いがあることなのかもしれないなぁと、今回の美里さんのお話しを聞いて感じました。
でも、こういう「違いがある」という知識や心構えがあるだけでも少し楽になりますよね。
そして、美里さんのように、その土地の文化に詳しい方がまさに”翻訳”することで、その土地に少しずつ慣れていけるのかもしれません。
三条市では様々な移住体験を行っています。実際に移住する前にまずは三条市に足を運んでみて、暮らしを体験することができますのでぜひご検討ください。
(インタビュー・文:内藤千裕)
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