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季節を感じられる暮らし、心地よさとはなんだろう

こんにちは、まちなかエリアで活動している地域おこし協力隊の綾部あやです。
東京から三条市に移住して1年。
いま現在の暮らしと移住して思うこと、地域おこし協力隊として取り組んでいることなどをつづります。住まいを変えて自分らしい暮らしや働き方を考えている方、移住に興味を持っている方に読んでいただけたら嬉しいです。

1.一年前といま

わたしは地域おこし協力隊の着任に合わせ、2021年6月に三条市に引っ越してきました。それから暑い夏が過ぎ、冬になりました。雪道での運転はドキドキしましたが、そんな冬も終わり、これ以上ないくらい春の到来を嬉しく感じました。

一年前のわたし。
夫を東京に残し、ひとり三条で暮らし始めました。
三条にゆかりのないわたしは、移住支援の担当者だけが頼り。他に知り合いもいなく不安はありましたが、それ以上に期待が大きく、新たな生活に胸が高鳴っていました。

通勤は電動自転車。天気のいい日は最高ですが、急な天候の変化に襲われ、びしょぬれになったこともありました。この辺りは、晴れていたと思えば豪雨に見舞われたり、雷がたくさん鳴り響いたり、一日の中で天気がころころと変わります。いまは(中古の)愛車のおかげで、暑い夏も寒い冬も快適です。

車がなく、地理感がない当時のわたしに担当者が勧めてくれたのは「東三条駅」周辺でした。
実際に住んでみると周辺にはスーパーやドラッグストアがあり、東三条駅では新潟や長岡に乗り換えなしで行ける「JR信越本線」も利用できるので、当面車を購入する予定のない方にはおすすめのエリアです。

当時わたしは一日も早く環境に慣れ、地域の方たちと良い関係を築こうと必死になるあまり、不自然に取り繕ってしまい、周りにも自分にも誠実とは言えませんでした。これではうまくいくはずがありません。立て直す方法や手段に躍起になり、失敗してはまた立て直すの繰り返しでしたが、それでも見捨てずに励まし続けてくださった方々には感謝しかありません。

三条移住のきっかけとなった 「鎚起銅器」

ものづくり学校で行われた「大橋さんの鍋づくりワークショップ」にて。 トンカチでたたきまくり、形成しました。 火の通りが早いのも魅力の一つですが、なによりこのフォルムに毎回うっとりします。

現在のわたし。
この春、夫が三条に引っ越してきて、11か月ぶりに夫婦二人暮らしです。一人の気楽さはありましたが、やはり夫がいてくれるのはなにかと心強いです。
そして、心落ち着ける拠り所が増えました。それは、自然の中であり、いつも笑顔で迎え入れてくれるカフェや店員さんであり、不安を打ちあけ希望を語り合える人の存在です。

また、しばらくペーパードライバーだったわたしですが、1時間くらいのドライブを楽しめるまでになりました。
先日東京から三条市に移住を考えていらっしゃる方にお会いすると、一年前の私と同じく運転の心配をされていました。「運転は慣れなので、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。」こんなことが言える日が来るなんて自分でも驚きです。

好きな場所のひとつ

自分へのご褒美、癒されたい時に足を運びます。 三条市付近は、地図やパンフレットに載っていない、心休まるステキな風景が溢れています。 きっとあなただけのとっておきの場所が見つかると思います。

2.移住後のくらし

朝5時半頃に目を覚まし、ベランダのハーブを眺め、軽くストレッチをして、洗濯機をまわしながら家事を済ませ、30分程度の朝学習、出勤時間の20分前に自宅を出て、勤務先のステージえんがわに到着します。
東京では毎朝ぎりぎりに目を覚まし、バタバタと支度をしていたのがうそのようです。

「ローズゼラニウム」の タージーマージ― (ハーブなど芳香のある植物を 束ねた花束のこと)

受け取る人の負担にならない小さく可憐な花束が好きです。お礼の気持ちを込めて、身近なものをささっと束ねられる人に憧れます。

ここで少し、わたしの活動拠点である「ステージえんがわ」について、ご紹介します。
ステージえんがわは公共施設です。施設には事務所といえる場所が存在しないので、普段は来館者のみなさんと同じテーブル席で作業をしています。
そして、施設内には「三条スパイス研究所」という食堂が入っており、美味しいスパイスカレーが食べられます。もちろん、カレーを食べなくても自由に過ごせる場所なので気軽に足を運んでいただけると嬉しいです。

体験移住時に三条市に訪れた際、えんがわの建物はひときわかっこいい建物だと感じました。(個人的には夜の明かりが灯ったえんがわが好きです。)おそらく市外、県外から訪れる皆さんもわたしのように「おおっ!」と感じるのではないでしょうか。初めて三条を訪れたのが3年前、まさかそこで自分がこんな風に過ごさせていただけるなんて、感激です。

宿題をしても、仕事をしても、女子会(もちろん男子会も)をしてもいい場所です。週末のイベントだけではなく、日常的に活用していただけるよう日々アイデアを考えています。

待ち合わせや、友人との語らいなど、もっと色々な方に知って利用していただきたいと思います。イベントも行っているので、ぜひ遊びに来てください。

ステージえんがわ

帰宅後は夫と夕食の支度をし、ゆっくり食事をしても時間はまだ十分にあります。お酒好きのわたしたち夫婦は、以前は待ち合わせてお酒を飲んで帰ることも多かったのですが、いまは外で焼き鳥とビールを頂くのがたまの贅沢です。週末は、仕事後に夕焼けを見ながら、ドライブがてらカフェや大きなお風呂(温泉)に行くのがわたしたちのブームです。いずれにしても、時間を贅沢に使えるのが東京とは違う良さだと思います。

また、「今度の休日はどこへいこうか?」と考えるのも楽しみの一つです。都内のように大渋滞になることはないので、快適なドライブが楽しめます。ちなみに、三条の方にお勧めの場所を教えていただくのですが、ラーメンに対する熱量を感じずにはいられません。わたしも地元の友人が遊びに来たら、ラーメンを熱く語るようになるのかしらと、ひそかに三条っ子を夢見ています。

下田のよねくら。

麻婆麺のおいしさを教えてくれました。 少し離れているのでまだ二回しか行ったことがありませんが、麻婆麺を食べるならここと決めています。

3.地域おこし協力隊として取り組んでいること

最後に地域で関わらせていただいている活動についてご紹介します。
まちなかエリアで活動するの地域おこし協力隊は、三条市のまちなかエリアのにぎわいの創出、地域の魅力向上のため、得意分野をいかした活動をしています。

また今年の夏、三条市の中心市街地に図書館等複合施設「まちやま」が開館します。今後ステージえんがわも「まちやま」の施設の一部となり、地域の方にとっていっそう魅力的な場所になっていくことが期待されています。

そこで、わたしは北欧デンマークの「ヒュッゲ」という考え方を手本に、地域の方、このまちなかに訪れる人が「心地よい」と思える場所にすることをテーマに活動を考えています。

(ヒュッゲとは)物理的な居心地のよさを軸としながら、そこには「精神的な幸福感」や「周りとの一体感」も含まれます。自分自身、そして周りの人たちとの親密さ、つながり、あたたかさを丁寧につくっていく。そのアプローチ全体が、デンマーク流の「心地いい」暮らし方なのです。

『北欧生まれの「世界一幸せなライフスタール」実践法 Hygge』
ピア・エドバーグ著 永峯涼訳(サンマーク出版)

例えば、一人でもみんなでも楽しめる趣味として、市内の毛糸屋さんと一緒にえんがわで編み物を行う「えんがわあむこて」、快適な空間の創出・衛生的な住環境を保つ効果がある薬用植物(ハーブ)の活用の提案などが主な活動内容です。
ほかには、農業に関心のある女性が集まり一年間農業を学ぶという農業体験にも参加させていただき、今あるコミュニティをより盛り上げられるよう関われればうれしいです。

西洋の貴婦人「ル・レクチェ」

農業体験で花粉づけ、摘果、袋掛けの作業をさせてもらいました。 これから黄色く熟すのが楽しみです。農業体験を通して、地域の方からいろんなお話しを伺えるのも楽しみの一つです。

ステージえんがわの近くに「円明寺」さんというお寺があります。
そこのご住職さんは、お庭で愛情いっぱい育てたお花をたまにえんがわに届けてくださいます。こんな幸せのおすそ分けの場に立ち会えた時、わたしはあたたかな気持ちになります。このような光景がまちのあちらこちらに見られたらいいな、というのがいまの私の目標です。

新潟の冬の厳しさは春の喜びをより強いものにしてくれます。自然の流れに逆らわず、成り立ちを学び、植物をお手本に暮らすことは、すなわち心地よく幸せに暮らすことに直結しているのではないでしょうか。

いまも、これからも、頑張れる時もあれば、頑張れない時もありますが、三条に来ることができたご縁を大切に過ごしています。
移住に興味のある方、三条市に少しでも興味をもってくださった方、お茶を片手に、たわいない話しをしましょう。ステージえんがわでお待ちしています。

些末な文章に、最後までおつきあい頂きありがとうございました。
誰かの、どこかに、小さなひっかかりになればうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 少しでも三条市での暮らしに興味をお持ちいただけたなら、いつでもお気軽にご連絡ください😊