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三条鍛冶道場での5か月を振り返って

三条鍛冶道場で地域おこし協力隊として活動している浅原です。

三条市へ移住して半年近くが経ち、三条鍛治道場での仕事にも慣れてきました。三条市はほどよく田舎で、人との触れ合いを身近に感じるまちだと思います。
 
これまで飲食業しかやってこなかった自分にとっては、鍛冶仕事は初めての経験で、すべてが新鮮で新しいことばかりでした。三条には様々な鍛冶屋の方々がいらして、包丁鍛冶、鋏(はさみ)鍛冶や剃刀(かみそり)鍛冶などの先生方から熱心な指導を受けて日々鍛冶屋の仕事を学んでいます。お陰様で少しずつですが、スキルアップしていく自分を感じています。

インバウンドで鍛冶体験にいらっしゃったお客さんと記念撮影

 三条鍛冶道場では現在、一般の方たちに鍛冶仕事の入り口に触れていただく体験講座として、ペーパーナイフづくり体験、伝統的な和釘づくり体験、包丁研ぎ体験の3つの講座を毎日実施しています。

 ペーパーナイフづくりは、五寸釘を材料にペーパーナイフをつくっていただくのですが、小学生のお子さんから年配の方々まで、五寸釘がペーパーナイフの形状に変わって仕上がっていく様子が目に見えてわかるので皆さん感動をしています。
 
伝統的な和釘づくりは、三条市内の小学生は6年間のどこかで必ず1回、体験に来ることになっています。先日、伊勢神宮を訪問した際には、実際に和釘が使われている箇所を数多く目にしてきました。伊勢神宮は、20年に一度、社殿などを新しくする式年遷宮が行われますが、前回の遷宮ではそこで使われる和釘の大部分が三条から奉納されたということで、これを職人の先輩方が作ってきたのだと感動しました。三条のものづくり文化のバトンをしっかりつないで、後世に伝えていかないといけないと感じています。
 


鍛冶体験の指導風景


三条鍛冶道場の様子①
三条鍛冶道場の様子②

包丁研ぎ体験は、ご家庭で使っている包丁を持ってきて研ぎ直しを学んでいただくもので、近所の方々が持ってこられます。世間話をしながら包丁研ぎの技術をお伝えするというほのぼのした講座となっています。
 
私はもともと飲食業をやっていて、包丁研ぎも分かっているつもりでしたが、ベテランの包丁職人さんを先生として、ご指導いただきながら、基礎からしっかり学び直し、機械の使い方なども含めて、包丁メンテナンスを改めて学んでいる最中です。
 
日々、一緒に体験講座を運営する三条鍛治道場の管理人さんや、体験講座の指導ボランティアの方々も、様々な経歴の持ち主で、元鋏(はさみ)鍛冶の方や社会経験豊かな方がいらして鍛冶技術も含め、人としてのいろんな経験をさせていただいています。
  
最近は常設の体験講座に加えて、更なる鍛冶技術習得のため、包丁や、切り出しづくりなどをやっています。日本の刃物の特徴として、柔らかい鉄と硬い鋼を組み合わせることがあげられますが、自分で材料を適切な大きさにカットして、鋼をつける作業から練習しています。最初はなかなかうまくいかず、最後の最後で鋼を溶かしてしまったりしていましたが、今では10本に1本くらいはまともなものができるぐらいの確率になってきました。
 
これからの目標は、様々な体験講座を実施できるよう、技術の幅を広げて、この三条の鍛冶カルチャーを少しでも多くの人たちに伝えていくことです。
 
特に、三条鍛冶道場の体験者のうち、1割くらいが海外からお越しになる方々です。インバウンドで日本へ旅行する方々にとって、改めて日本のものづくりを含めたカルチャーは魅力的なのだと感じています。鍛冶仕事と並行して毎日、英語のレッスンもやっていますが、英語ももっと話せるようになって、海外の方々へも鍛冶のカルチャーを広めていきたいです。
 
三条鍛冶道場がグローバルな場所となるように日々精進していきます。


鉈職人から指導を受ける


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