『香香二切れにぎりめし
爺さま入れた茶ぁあれば
今日も稼ぐろ下田もん
ベトだらけでも汗だらけでも
見上げりゃ八木鼻笑ってる
ちゃんと履きなせぇスタッドレス
雪深下田に抜かりなく
過ごして迎えた春にはの
綺麗げな花がいっぺごと咲くろ
てっぺん開いた立葵
連れてくるのは40度
スポドリ飲んでいっぷくしょ~て
ヒルにもブトにも泣かされるろも
トマトもキューリももがんまね
もがんばどれも美味ぉのおなる
体はあちこち病めるろも
ちょっと出てって見てみれば
こっちのばぁさ
あっちのじぃさ
まだまだ元気に稼いでる
おったもなんとか優しい人の力になれるか試してみょうか
やなことみんな五十嵐川が
サラサラ流すよ下田村
夏青く 秋には真っ赤で 冬白く
いつでもそこに粟が岳
変わらぬ姿でおめぇさんを
優しいおめぇさん見つめてる
香香二切れにぎりめし
爺さま入れた茶ぁ飲めば
明日も稼ぐぜ下田もん
ベトだらけでも汗だらけでも
見上げりゃ八木鼻笑ってる』
こんにちは。下田の地域おこし協力隊として3年間活動をしてきた金子です。
4月の任期満了を前にこちらに文章を載せることになったのですが、少し困っています。
困っている理由はこの文章の結論のようになってしまいますが、もうしばらくここに残ることにしたのです。
滞在型職業訓練施設『しただ塾』に参加するためにこの地域を訪れたのが約3年前。そして3か月間のプログラムを終え芽生えた感情は、「面白いかもしれない。」でした。
東京で生まれ育ち、都会暮らししかしたことのない自分は、東日本大震災を機に
「東京が故郷っていうのもありなんじゃないか、、、」とか
「過去の人脈や肩書などをすべて東京に残して、地方で身一つの0からスタートを切ってみたい」
「身一つの自分には一体何か力があるのだろうか」
とか、そんなことを考え始めました。
仕事帰りに有楽町にある『ふるさと回帰支援センター』に行ってみたり、休日を利用して東京から離れすぎない地方へ足を運んでみたり、そんなことをしている中で『しただ塾』を知りました。
長年勤めた仕事を辞めるのには本当に勇気がいりましたが、今動かなかったら一生考えているだけで終わってしまいそうな、決断できないことに対する不安の方が勝り下田へやって来ることを決めました。
ここでの暮らしで思うことは、「下田は自分が訪れたことのある地方の中で一番たたずまいに“品”があるな。」ということです。
それは現在に至るまで、ここでの生活を築き上げ暮らしてこられた方々の“品”の良さだと思っています。
そんな素晴らしい下田の風土に包まれて過ごした3年間。
知り合いも増え、畑には電気柵を張り、棚田のお米も少しずつ出来が良くなってきました。
今離れるのは違うって思いますよねぇ。
もう少しお世話になることにしちゃいました。よろしくお願いします。
今後は、これからやって来るよそ者に「下田は面白い」と思ってほしいし、下田の人には「よそ者が来ると面白い」と思ってほしい。
そんな楽しい地域づくりへの一助になるべく精進したいと思います。
冒頭に載せた『しただもん』は、自分が下田で暮らしだして1年目くらいに作った唄です。 下田の方言ははじめ苦労しますが、耳が慣れて想像力をフル稼働すればわりと理解できる絶妙な難しさの方言ではないでしょうか。面白くなってしまって思わず作ってみた唄です。
気持ちも入っているので今回載せてしまいました。
気に入っていただけたら嬉しいです。