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「アウトドア×防災!?」三条市の防災について迫ってみた!

はじめに


 私たちは今年度入庁した新入職員です。
 三条市の魅力体感研修を行うにあたって、私たちは「アウトドアと防災」というテーマを設定し、インタビューを行ってきました。三条市では、令和5年7月22日に「アウトドアのまち三条」宣言をしました。市内にはアウトドア用品メーカーやキャンプ場が多くあり、近年注目を浴びています。また、三条市は二度の大きな水害を経験しており、防災について力を入れています。災害に強く、アウトドアを楽しめるまち三条市の魅力をお伝えします!
 

三条市で発生した水害

 三条市では大きな水害が二度発生したことを知っていますか?それは平成16年7月13日に発生した7.13水害と平成23年7月29日に発生した7.29水害です。これらの水害で三条市は大きな被害を受けました。水害の詳細については下記リンクでもご覧いただけます。
三条市7.13水害について/三条市 (city.sanjo.niigata.jp)
三条市7.29水害について/三条市 (city.sanjo.niigata.jp)
 

三条MIZBEステーションとは

 私たちはこれら二つの水害の歴史を学べる三条MIZBEステーションを訪問し、体験やインタビューを通して三条市の水害への理解を深めました。
三条MIZBEステーションは上記2つの水害を経て平成26年に完成した施設です。災害時には資材供給拠点や水防活動拠点になりますが、平常時には水防学習館を水防に関する学習の場として開放しています。ドア水圧体験や実際に使われた消防救助作戦地図などの資料が展示してあり、子供から大人まで水害について学ぶことができます。
 私たちが見学した施設の一部をご紹介します。

災害時の持ち出し品の例。飲料水が一番大事!でも結構重たい!
レスキューベンチ ベンチの中に災害時必要なものが入っている!
ドア水圧体験の様子 90㎝浸水では全く開きませんでした
各水害の最大冠水記録 背が高い人でも簡単に隠れてしまう
実際に使用された消防救助作戦地図
平常時にはイベント等が開催される広場

 三条MIZBEステーションの職員である韮沢さんは水害時に役立つ話をしてくれました。
 一例として、水害発生時の傘の使い方です。水害が発生し、道路が冠水しているような場合には大抵雨や風がひどく、傘をさすことができません。そのような場合は傘を閉じて、杖代わりにすることで道に溜まっている泥水のなかに障害物がないかを確認するのに役立つということでした。このような知識を身につけることで怪我を防止したり、被災時の生活レベルを上げることに繋がるため、平常時には物資の備えだけでなく、知識や情報の備えも重要であると話してくれました。
 

三条市の取組

避難所における取組

 続いて、私たちは三条市行政課 大澤さん、防災気象アドバイザー 内藤さんにインタビューし、三条市の取組について聞きました。
 三条市では備蓄物資の見直しをしています。災害発生から数日後には県や国などから支援がありますが、それまでの数日間に必要な備蓄物資(特に離乳食など)を保管しているとのことでした。それでも食料や簡易ベッド等には数が限られていますので、皆さんの日頃の備えが重要になります。これを機に見直しをしてみてはいかがでしょうか。


 

災害発生時における取組

 7.13水害を踏まえて、三条市では堤防等の改修といったハード面だけでなく、マニュアルの作成等のソフト面の対策も進めました。一例として、三条市によるメール配信サービスや配備職員の指定などを行っています。三条市メール配信サービスでは、気象情報や暮らしの安心・安全などに関する情報を提供しています。また、配備職員の指定は、災害警戒本部・支部設置や第1次・第2次避難所開設時における配備職員を事前に指定しており、迅速に対応できる体制を整えています。
 

その他対策

 7.13水害で大きな被害を受けた三条市では、7年後の7.29水害時の降水量は7.13水害よりも降水量は多かったものの、全体として7.13水害時の教訓がより良い災害対策に繋がり、被害を少なく抑えることができました。
 また、三条市では訓練にも力を入れています。毎年行われるブラインド型の防災訓練は、災害発生時さながらの緊張感のなか実施され、想定外の事態への対応力を身につけることができます。実際、7.13水害と比較すると、7.29水害の対応はとてもスムーズでした。前回の災害の経験が被害を少なくできた要因の一つであると考えられており、継続的な訓練が重要です。
 三条市では独自に災害時要援護者名簿を作成し、高齢者や障がいのある方の避難支援にも取り組んでいます。高齢者、障がい者が逃げ遅れることのないよう、市全体でのサポートが行われています。
 このように三条市では、堤防の改修というハード面だけではなく、防災訓練の実施、要援護者名簿の作成というソフト面でも対策が進んでいることが分かりました。
 

みなさんにしてほしい対策

 自分の住んでいる地域について事前に知っておくことで、災害発生時に慌てず避難することができます。そのためにもハザードマップはしっかり確認しましょう。
 また、ガイドブック記載の持ち出し品を事前に準備しておくことも大切です。災害時は緊迫した状態が続き、身体も心も疲れてしまいます。そのような中でも、時にはほっと心を落ち着かせることも必要です。チョコレートなどの甘い物を用意しておくのも良いかもしれません。(意外にも重要なことかもしれません!)
三条市豪雨災害対応ガイドブック/三条市 (city.sanjo.niigata.jp)


三条市豪雨災害対応ガイドブック表紙
ハザードマップ以外にも日頃の準備の案内もあります


アウトドアとはなにか~WEST三条店へのインタビュー

 最後に、私たちは三条市内をはじめ県内に4店舗を展開するWEST三条店にインタビューを行い、本部長の紫竹さんが答えてくれました。

WEST三条店


 WESTはパール金属株式会社が運営する家庭用品・アウトドアレジャー用品等卸売業のお店です。店舗やオンライン販売以外にも、自治体と共催で子ども向けにサバイバルキャンプを開催し、遊びを通じて、アウトドアの知識やスキルを学習する機会を設けたり、2016年熊本地震の際にはキャプテンスタッグとして避難所等で使用できるようテント等を無償提供を行うなど、様々な取組を行っているそうです。



インタビューの様子



 インタビューでは、アウトドアをほとんど経験していない私たちに「アウトドアとはなにか」ということからお話ししてくれました。
 『「アウトドア」とは「自然と生きる」ということ』
 アウトドアといってもキャンプだけには限らず、登山やスキー、カヌーなど多岐にわたります。そのどれもが自然の中で活動し、アウトドアの体験を通して、これまで自然とともに暮らしてきた先人たちの知恵や技術を体感することができます。このアウトドアで得た経験は防災を含め、自然の中で生きる私たちにヒントをくれるとのことでした。アウトドアに対してハードルが高いと感じてしまう方も、初めは外でテントを張って寝ることから始めてみてもいいかもしれませんね!
 
 また、WESTのこれまでの取組や経験から、防災に役立つアウトドアグッズを紹介してくれました。水害時においては漂流物から体を守るための「ライフジャケット」、避難所生活等では周囲の雑音を防ぐための「ノイズキャンセル付きイヤホン」、停電時にはやはり「ヘッドライト」が必須だということです。これ以外にも様々なグッズが活用できると思いますので、皆さんも一度は考えてみるのもいいですね!


見た目以上に丈夫な発泡スチロールやウレタン入っているライフジャケット
ヘッドライトだけでもこんなにたくさんの種類が!


 そして、インタビューを通して、私たちがテーマとして掲げた「アウトドアと防災」について、大きなヒントをいただきました。それは、防災を意識して取り組むことよりも、アウトドアが日常生活に入り込み、遊びながら自然と身につくことで、災害時に無意識に行動ができるということです。普段から防災を意識することは難しいですが、いざというときには動かなければなりません。三条市にはキャンプ場や山や川が身近にあり、そこで使われるアウトドア用品を製造・販売している恵まれた環境があることから、見方を変えれば、子どもの頃からアウトドアに触れていることで、無意識に自然と生きるための知識や技術が身につき、結果的に防災に役立つのではないか。このような視点で防災を目指していくのもこれからの時代で大事な要素であると考えさせられました。

おわりに

 インタビューを通じて、三条市はアウトドアを楽しむ環境がそろっていることや、二度の水害を経て様々な防災対策を行っていることが分かりました。安心して生活でき、日々の生活で自然を楽しむことができる三条市は、これからますます盛り上がるのではないかと感じました!そのためにも、私たち職員が積極的に行動していきたいと思います!

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最後までお読みいただきありがとうございました! 少しでも三条市での暮らしに興味をお持ちいただけたなら、いつでもお気軽にご連絡ください😊