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こんにちは!!


三条製作所で主に日本剃刀を製造している神奈川県相模原市身の稲垣良博(イナガキ ヨシヒロ)です。


日本剃刀などの刃物の製造技術を学んでいます。

三条製作所は刃物製造の技術向上に尽力した岩崎航介(いわさき こうすけ)さんが立ち上げ、そこで日本剃刀の製造を始めました。
三条製作所では、棒状の鉄を地金にし、刃になる部分に鋼をつける伝統的な鍛冶技術で、職人が一丁一丁手作業で製造します。

1. 8月の活動内容

8月は気温が下がり、前年に比べて比較的過ごしやすい気温でとても助かりました。
ただ、雨が多く、あまり夏を過ごした感じがない気がします。


今月は火の仕事を多くやった気がするので、今回は日本剃刀を製造する過程で、最初に行う地金造りについて話したいと思います。
「地金造り」とは、母材の鉄を炉の中に入れて熱することで、形が変わりやすくなった鉄をたたき、刃物の形をつくっていくことを言います。

まず、日本剃刀は鉄と鋼の2種類の金属でできています。鋼は刃になる部分で、鉄は剃刀の母材になる部分です。この2種類の金属を合わせて作るというのが、日本の刃物の大きな特徴です。なぜそのようなことをするのかというと、大きな理由としては、鋼は高価で貴重なので、比較的安価な鉄を母材に使うことにより、鋼の消費を少なくするためです。

やり方としては、まず、鉄を切断します。

画像①


【下が切断した地金】

切断した地金を炉の中に入れてあかめます(あかめる:鉄を炉の中に入れ、熱すること。熱することで鉄が赤くなる)。

あかんだら、まず込(剃刀の持ち手になる細い部分)になる部分を形作っていきます。込ができたら、反対側の刃になる部分を、熱して叩くことで形作っていきます。

画像②

【下が地金造り後の姿。込と呼ばれる部分は左側の細い部分】

画像4


【完成後の剃刀。○で囲った部分が込と呼ばれる部分】

地金造りをすると、鋼付けが簡単になります。写真上の地金造り前のままだと、丸まっている部分や山になっている面などがあり、真四角ではありません。そのため鋼付けが難しいです。地金造りをしてあると、鋼付け後の鍛造の作業で形を作る際に、鋼と一緒にきれいに幅が出て伸びていきます。
地金造りの際に注意するポイントとしては、刃になる側を薄くすることです。
そのようなポイントがいろいろあり、とても重要な作業です。

画像③


【←鋼を付ける面 ↑刃になる側 →表側 ↓背中側】

この作業をしないと、とても効率が悪くなり、剃刀をうまく作ることができません。
後の仕事の効率を良くするためにも、この作業は欠かせません。

2.これからの活動

今回、鋼付けという言葉が出てきて分からない方もいると思いますので、次回は鋼付けについて説明したいと思います。


今後もしっかりと技術を身につけられるように、一日一日を大切に自分が成長できるようにしたいです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
これからも応援よろしくお願いします。

三条製作所
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/sanjo_razor/

【三条市地域おこし協力隊活動ファイル#47】


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