下田の冬を越えて
こんにちは。
地域おこし協力隊下田チームの五十嵐カンナです。
今回は私のこれまでの協力隊活動についてつづりたいと思います。
下田での初仕事 :日仏交流(下田からフランスへ)
1月から着任した私は、冬の農閑期の仕事として、私が20年滞在していたフランスの人々へ向けた、下田での生活情報を2種類製作することにしました。
一つは、紀行文的な情報です。
協力隊隊員が改修した100年を超える上谷地の本格的古民家や雪景色、餅つき、正月料理、わらじづくりの手ほどき、杉玉づくり、南五百川の家の庭の柿の木にやってきた猿の写真などを約70名の友人知人に2回送付し、喜ばれています。
もう一つは下田の地理観光に関する基本情報であり、これから掲載先を探していきます。
この作業は、私自身が下田を知ることにもたいへん役立ちました。
火焔型土器などの縄文土器発掘のお話はとても興味深いものでした。
また、下田で私が特に気に入っているのは、『いしぶみ』や水の源泉です。苔むした『いしぶみ』の前に立つと、いにしえの人々の思いが伝わってくるようで感慨深いものです。
長野集落を訪ねたときは大山神社の珍しい石仏群に魅了されました。
読者の何人かが下田を訪れてくれることを願っております。
https://sfs-jp.org/ma-vie-a-shitada/
南五百川の住人として
私は南五百川の街道沿いの一番奥の家で初めの4か月間を過ごしました。
雪かきをするために玄関を出ると、2つの土蔵と1軒の古民家を含む絶景が見えます。
0℃を下回る気温の中でさえ、雪かきをすると、あっという間に汗びっしょりになりましたが、慣れない雪かきもその眺めを見ると素晴らしい経験となりました。
年末にお向かいの一軒家を訪ねると、一人住まいのご老人が近所の方と餅を機械でついているところでした。すぐ家に迎え入れてくれて、暖かい薪ストーブを囲んで3人でお話しました。
なんでも率直に発言されしっかりとした意見をお持ちでした。
4月には自治会のお宮掃除や江ざらいにも参加し、地域の方との交流もさせていただきました。
伝統工芸職人 大竹至さんにぞうりづくりを教わる
私は伝統工芸に興味があり、また「松尾芭蕉のようにぞうりを履いて旅をしたい」という夢がありました。
下田に到着後すぐぞうりを製作されているという長野集落の大竹至さんのお宅を訪ねました。
伝統工芸の担い手についての記事を書いてみたく、少し雪が解け始めたころゆっくり時間をとってお話を聞かせていただくことになりました。
大竹さんがかつての下田のおけ職人であったということや、私も知らない時代のお話を聞くことができ、ぞうり製作、竹籠の編み方などを教えていただきました。
その時の様子は、写真つきのエッセイ記事の中に記録させていただき、NPOソーシャルファームさんじょうのサイトに掲載しています。また、大竹さんの製作されたぞうりを旧荒沢小学校内の〇彦カフェに展示することになりました。https://sfs-jp.org/meijin01/
農作業
雪解けを迎え、農作業が始まりました。私は農業班に属しています。納豆菌、こうじ菌を投入して発酵させるボカシ肥料の作り方や各種野菜の芽出しを先輩に教わりながら行いました。
今春から北五百川の棚田をNPOが手伝うことになり、畔塗を行いました。
近所の方から大変だと言われましたが、遠くにまだ雪の残る守門岳に見守られるように、NPOの若人と大勢でにぎやかに行われました。
長野集落の高台に登るたびに、縄文土器を残した人々に思いをはせます。
もともと私は、南五百川の棚田で行っている田植えの写真にひかれて下田に来ることを決めており、田植えや稲刈りの日を楽しみにしていました。
原稿を執筆している現在は、南五百川と北五百川の美しい環境の中で、カエルの合唱を聴きながら田植えを行っています。
下田では本当に優しい方々に出会いますし、親切にしていただいています。そんな下田の暖かさがこれからも続いていってほしいと思います。そのために下田のよい部分を書き、下田の方々に下田の良さを改めて感じていただきたいです。
また外部へ情報発信をして、他の地域や海外、フランスの方にも下田の良さを知っていただき訪れていただけるよう努力していきたいです。