【後編】三条市の教育って実際どうなの?(理科学習・デジタル教育)
こんにちは、三条市在住ライターの渡辺まりこです。私は小学5年生息子と年長娘の2児を育てる母親でもあります。
この記事は、「三条市の教育環境は整っているの?」「地方の教育は劣ってるんじゃない?」と不安に感じている方のために、三条市教育センターの森田さんと畑さんにお話をお聞きしました。それではさっそく、三条市の教育のリアルをご紹介します。
子どもたちがキラキラ瞳を輝かせる!体験型の理科学習
「三条市に住む子どもがうらやましい!」と他地域に住むママ友からよく言われます。その理由は、三条市が独自で取り組む「理科学習」があるからです。
2022年にオープンした図書館等複合施設「まちやま」内にある科学教育センターでは、市内の小学3年生から中学3年生までが、年に1回理科学習を行っています。
こちらの理科学習は、教科書での学びとは一味違います。学校ではなかなかできない大型実験機材を用いたダイナミックな実験や、科学工作などを行っているのです。しかも、学校で学習している理科の授業の内容にも合わせているので、「楽しかった」で終わらせるのではなく、「もっと知りたい!」と探求心を搔き立てます。
たとえば、4年生の単元「空気と水」では、一限目に空気を入れた巨大風船を体に当てて重さを体感したり、注射器に空気や水を入れて押し縮める実験をしたりします。さらに二限目は、ペットボトルや重りを使って空気を縮める工作実験にチャレンジ。子どもたちはワクワクしながら取り組んでいます。
ちなみに、まちやまでは毎月、「子どもの科学教室」や「科学模型工作」などのイベントを開催しています。星や宇宙を知る「プラネタリウム体験」など、我が家の息子も何度も参加させてもらっています。特にモノを作る工作系の実験が楽しいとのこと。市の事業なので、参加費が無料なのも嬉しいです。
1人1台タブレット端末を配布。デジタル教育体制も万全
これからの社会はデジタルスキルが必須! 三条市の小中学校では1人1台タブレット端末(Chromebook)が配布され、授業や宿題で活用しています。
小学5年生息子の参観日に見学した国語の授業では、児童たちがタブレットで問題の答えを入力したり、友達の発表の感想を書き込んだりしていました。児童生徒たちは、デザインツール「Canva」や「Googleスライド」も使いこなしてプレゼンテーションしているというから驚きです……!
また、デジタル機器を使った学習では、ベネッセが提供する教材「ミライシード」を導入しています。そのプログラムの中の一つ「ドリルパーク」は、国語・算数・理科・社会・英語の5教科に対応。生徒はベーシックからパワーアップまで難易度を選べるので、自分のペースで学習できます。意欲があれば、まだ習っていない学習範囲の問題にチャレンジすることも可能です。
2024年からは生徒の発達特性に応じた支援アプリ「まるぐランド」を導入しました。これにより、たとえば漢字の学習をする際、視覚優位であれば文字で覚える、聴覚優位であれば音声で覚えるといった効果的な学習ができます。
三条市だからこそできる豊かな体験を
都会とは異なり、学校の敷地が広々しているのも地方ならではのポイントです。データによると、千代田区の小学校の平均敷地面積は5千㎡ですが、三条市の大崎学園の敷地面積は4万5千㎡。なんと約9倍の広さです!
敷地が広いと、児童生徒たちはゆったりのびのびと過ごせます。私の息子が通う裏館小学校には、通称「うらもり」と呼ばれる木々が生い茂るスペースがあり、息子は休み時間中にヤゴやカナブン、カミキリムシなどを捕まえては楽しんでいるようです。
三条市の教育は、地方だからといって決して劣ってはいません。むしろ独自の学びの機会があり、子どもたちのやる気や個性を伸ばせる環境が整っていると感じています。自然の中なかで遊び、地域の人たちに囲まれ、学びに没頭する――我が子の可能性を広げる環境で子育てしたいと考えているなら、三条市への教育移住を検討してみる価値は十分にありますよ。