まちを編集する本屋を目指す『SANJO PUBLISHING』
はじめまして、まちなかの魅力向上・起業支援事業の活動をしている、Next Commons Lab 三条の水澤 陽介(みずさわ ようすけ)です。
私たちは、三条市の中央商店街で本屋と喫茶店を営む『SANJO PUBLISHING』を拠点に活動しています。SANJO PUBLISHINGは、もともと中央商店街にあった元洋品店をリノベーションして、令和3年2月22日にオープンしました。
ものづくりのまちに必要とされる存在へ
地域おこし協力隊として三条に住む私たちは、まちと人とをコーディネートする役割のほか、任期の3年を終えても三条に住み続けられるよう、初めから事業を行おうと考えていました。
ただ、まちに後発で入る私たちにとって、まちに必要とされなければそもそも事業を行う必要がない。まちと一緒に育っていける存在になるよう、始めに三条のまちで活躍する若いプレイヤーの皆さんにヒアリングをし、構想を練ってきました。
「三条にこれが必要だ」「あれも必要だ」
参加者からは様々な意見が飛び交う中で、「まちの本屋さんっていいよね」という、ぽろりこぼれた一言。確かに、現在まちの本屋はどんどん少なくなっていて、本屋さんがない自治体は2割にのぼります。Amazonだってとても便利。
でも、本屋さんの役割はもう終わってしまったかというとそうではありません。まちに本屋さんがあることはとても重要だからこそ、本屋さんをベースに事業を作っていこう。
そこから、地域の方たちがゆったりと本を読める滞在できるサロンとして喫茶店を、まちに点在するプレイヤー同士をつなぎ、まちの魅力や企業のストーリーを伝えられるまちの紹介所としての編集室を、本屋さんとしてまだまだできることはたくさんあるじゃないか、と思えるようになってきました。
本屋さんを起点にして、ものづくりのまちに必要な力、地域を得ること、想像すること、つなげること、つくること、磨くこと、何よりも続けることでまち全体を育むことができる新しいタイプの本屋、“まちを編集する本屋さん”に行き着き、モットーとして取り組むことに決めました。
いざ物件探しに 中央商店街と人とのご縁
まちの本屋さんのコンセプトが決まれば、あとは物件を見つけるのみ。とはいえ、物件との出会いは一期一会で、理想の本屋さんづくりができるように、焦らずに何軒ものお店を見て回りました。
夏の暑い日差しに焼かれながら、外を回る日々。そんなある日、中央商店街を歩いていると見つけたお店。当時は、空き家として張り紙も出されておらず、外からどんな物件なのかなと覗くばかりでした。
ガラス越しに見えるのは、きっと洋品店で飾ってきたであろうアイテムの数々。マネキンや試着室らしき部屋、さらに奥にも階段がうっすら見えて、私たちは想像が掻き立てられ、どんな作りなのかもっと見てみたい。そう考え、お隣の化粧品屋さんにお邪魔して、物件についてご相談しました。
「あそこは、カネ五洋品店さんと言ってね、婦人服を中心に売っていたのよ」「2階は外からスポットライトが当たって、夜でも洋服を光で照らしていたわよ」
お話を伺えば伺うほど好奇心が掻き立てられる私たち。さらに、親切にも大家さんをご紹介してもらい、ようやく今の拠点となるSANJO PUBLISHINGのかたちが見えてきたのです。
次回は、お店をオープンに向けたリノベーションの様子をお届けします。
SANJO PUBLISHINGの基本情報
OPEN 11:00〜19:00 (火・水曜日定休 )、駐車場あり
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【三条市地域おこし協力隊活動ファイル#6】