三条で見つけた“自分の居場所”。やりたいことに挑んでワクワクを広げたい!【移住者インタビュー】
三条市一ノ木戸商店街の複合施設TREE内にある「gypso(ジプソ)」店主の菅野加奈さんは長岡市出身。2024年の10月に店舗近くの古民家に引っ越しを行いました。やりたいことがたくさんあると語る菅野さんは古着屋経営のほか、「Cheesecake no Kai」によるチーズケーキの販売や、地域イベント「三条ふるいもの市」の主催も行っています。
コンクリートの上に小さな猫の足跡が残るTREEの通路から隠し扉のような入口の階段を昇れば、アメリカン・テイストの古着が陳列されたセンスあふれる「gypso」の空間が広がります。それは「新しいことをしたい」という菅野さんの思いから生まれた空間です。今回は、お店の誕生から、三条市の魅力、今後の目標まで、いろいろなお話をうかがいました!
三条市で友だちが増え、大好きな古着屋に挑戦
長岡市の福祉施設で介護士として働いていた菅野さんにとって、三条市は新潟市に行く途中にあるまち、といった印象しかありませんでした。しかし「燕三条 工場の祭典」で盛り上がるまちの雰囲気にワクワクしたものを感じ、一ノ木戸商店街などをぶらりと散歩するようになります。そして2021年の10月、SNSでTREEのアルバイト募集を見てその日のうちに応募。25歳でダブルワークをするようになります。
「おじいちゃんおばあちゃんをケアする仕事も大好きですが、新しいことをしたいという気持ちがあったんです。三条市は人の交流が多い場所で、アルバイトをするうちに出会いも別れもたくさんあるまちなんだと実感しました。そして、友だちもたくさんできたんです」と語る菅野さん。その年の大晦日に古着屋を始めたい、とTREEの経営者に相談すると、倉庫だった2階の一室を借りられることになり、2022年の5月に開業しました。
「私自身も古着が好きだったんですが、仲間も古着が好きな人たちが多く、“ここをこうしたらどう?”“自分ならこうする”と意見をたくさんもらいました。友だちがやっていることを自分ごととして考えてくれる友人たちが多く、意見を聞いたら、とりあえずやってみようという感じでやっています。ちがうな、と思ったら元に戻せばいいだけなので(笑)」
「gypso」のコンセプトは、古着になじみがない人も気軽に入れる店舗。実際に、初心者の方も訪れています。
「人生で初めて古着を着るので一緒にコーディネートを考えてください、というお客様が来店されたときは、ほんとうにうれしかったです」
古民家で暮らすことは家の歴史に参加すること
古民家が好きな菅野さんは、2024年の10月には築97年6SLDKの古民家を借りて長岡から三条市に移住しました。友だちがたくさん来ても大丈夫な広さは、アパートの暮らしとは違う開放感があり、毎日帰宅することが楽しみに。そしてこの古民家が友だちのお母様の実家だったということもわかり、家の歴史も理解することができました。
「三条市に生きた人の歴史がこの家にあり、自分もこの家の歴史に参加するひとりなんだということを感じます。暑いときは暑いし、寒いときは寒い、という古民家独特の特長もあるけれど、そのまま使って、次の人にバトンを渡して引き継いでいくことも、この家に住む者の役割かもしれないと感じています。それと、まわりにお住いの高齢者の方々から可愛がってもらえるのも、いいですね」と言って微笑む菅野さん。古着が好きだから古着屋をやり、チーズケーキ作りが好きだからイベントで販売を行い、ふるいものや金属加工品が好きだから「三条ふるいもの市」を行う。そして好きな古民家で暮らしてゆく。菅野さんは、自分が好きで、やりたいことをやって生きることを実践しています。菅野さんはこう語ります。「三条市は、やりたいことに挑戦しやすく、なんでもやってみることができるまちの空気があると思います。何事にも詳しい人がいたり、やさしい答えも、きびしい答えも返ってくる。そういう風土があるのだと感じます」
三条を訪れるたくさんの人をワクワクさせたい!
「gypso」の“gypso”とは主役の花々を彩るカスミソウのこと。お店のロゴマークの“花瓶に生けられた3本の花”は、お客様と、菅野さんと、三条市を意味しています。じつは、菅野さんが一ノ木戸商店街にお店を開いて見つけたものがあります。
「それは“自分の居場所”です。それに、この先何かあってここを離れたとしても、自分なりに自分の人生を楽しめるだろうというイメージもできました。だからこそ、いろんな人とかかわって、人間関係をもっと楽しみたい。そして私のように、自分の居場所を見つけたよ! という人を、もっとたくさん増やしたいですね。たくさんの人に三条に来てほしいし、ワクワクしてほしいと思います。というか、私と私の友人がワクワクさせます!」と語る菅野さん。たくさんの「やりたいこと」を実現してきた菅野さんの現在の夢は、ゲストハウスをやってみたい、ということです。もし実現したら、そこは県外からの来訪者をはじめ、きっと“誰かの居場所”となるに違いありません。
三条のまちには、ものづくりの歴史を通して培ってきた「やりたいことに挑戦できる風土」があり、誰かのやりたいことに興味を持って応援し、参加する人々がいます。
菅野さんが笑顔で迎える「gypso」のお店には、魅力的なファッションアイテムの数々とともに、そんな人々との出会いも待っているのかもしれません。
「古着にトライしてみたい」「なにか新しいことを始めたい」と思ったら、ぜひ一度訪ねてみてください。
「わたしも何かに挑戦してみたい」という方お待ちしています!
いかがでしたでしょうか?三条市には「やりたいこと」を実現する若手プレイヤーたちがたくさんいます。「わたしも何かに挑戦してみたい」と漠然とでも思っている方は、三条市の地域おこし協力隊として関わっていくのもおすすめです。詳しくはこちらの地域おこし協力隊募集ページをご覧ください。