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見えがくれする空き家の掘り起こし方

お久しぶりです。
三条市で空き家相談員として空き家の課題解決に取り組んでいる、地域おこし協力隊の佐藤芳和よしかずです。普段は空き家相談員として市内を奔走する日々の傍ら、空き家対策・移住推進でエリアの活性化を行う「一般社団法人 燕三条空き家活用プロジェクト」の事業にも携わっています。

令和4年度から本格的に始動し、令和5年度も邁進まいしんしてきた空き家対策ですが、今回のnoteでは、この2年間の取り組みを振り返る意味で令和5年度の成果を振り返ります。
おかげさまで登録件数も令和5年度で101件となり、着実にその件数を増やしてきています(R4:81件)。また、登録物件の成約件数も空き家・空き地バンク(以下「空き家バンク」)が認知され、宅建協会・全日本不動産協会や三条市の移住コンシェルジュを担う「きら星」との連携の甲斐もあり、令和5年度は39件が成約に至り(令和4:12件)、成果が出始めています。今でこそ増えてきた空き家バンクへの登録数と成約数ですが、最初からこうだったわけではありません。空き家対策を本格的にはじめる前の令和3年度は、登録件数19件、成約件数15件と現在に比べると芳しくありませんでした。

空き家相談をおこなう筆者

相談窓口・空き家バンクの周知活動

 では、なぜこのように成果が出てきたのでしょうか。これは着任から継続して行ってきた周知活動によるものが大きいです。具体的にはチラシやポスターの作成・配布、専門家の講演会やセミナー・相談会、空き家ツアーなどを定期開催することで、目に付く機会を増やすことです。所有者やその親族など、当事者のライフステージは各々異なるように、空き家を自分事の課題として認識する時期も人それぞれ異なります。そのため継続的に周知・啓発をおこなうことによって、少しでも多く情報に触れる機会をつくることが重要になってきます。一度だけでの広告では見逃してしまうものも2度、3度と繰り返し目にすることで、その時々でスルーしていたものも、いざ空き家についての悩みに直面したときに、相談先として思い出してもらい、選択肢としてあがることがあります。 

空き家相談窓口の周知チラシ
専門家によるセミナー
連携している専門団体を呼んでの空き家相談回
空き家ツアーによる空き家活用事例などの案内

空き家ローラー作戦

 また、今年度の空き家対策の大きな取り組みとして、空き家ローラー作戦があります。この事業は文字通り三条市内にある200以上ある自治会から、ご協力いただける自治会長・民生委員の方のもとへ赴き、空き家と思われる物件の所在や所有者についてヒアリングを行いつつ、実際に物件を回り目視で確認することで、空き家のおおおまかな現状と件数の把握をするものです。前述したような方法で空き家相談窓口の周知やオーナーに自分事として動いてもらえるように啓発活動を行なってきました。一方でこれはオーナーの自発性に頼る面も強いため、オーナーやその親族などから連絡を待つといった受け身の形になっていたのも事実です。そこで実施したのがこのローラー作戦です。結果的にこの事業を通じて約1,500件の空き家を把握することができました。
ヒアリングで得た結果をもとに庁内で連携して所有者へアプローチを試みることにより、これまでの方法では難しかった層への窓口と空き家バンクの周知をおこなうことが可能となり、相談件数と登録件数が大きく伸びるキッカケとなりました。

自治会の協力のもと、空き家の実態を把握する

より空き家の流通を加速させるために

 また、空き家バンクへの登録が増えても活用の担い手と結びつけ、物件をより流通しなければ意味がありません。平行して宅建協会や全日本不動産協会とも連携や、少しでも物件がマッチングがしやすい状況をつくるための空き家バンク自体の機能拡張、支援制度の整備なども行っています。
次の記事では、より流通に結びつく取り組みや制度のご紹介をします。

つづく

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