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#02 都会生活で感じた“もろさ”と子どもの食べる物を守るための移住【ワーママ移住連載】

子育てをしながら働く「ワーママ」として、都会の暮らしに限界を感じ、三条市に移住をするという決断をした美里さん。
 
(第1話:都会のワーママが抱えるストレスと、そこから解放される「移住」という選択肢についてのお話はこちら)
 
今回は、美里さんが東京にいた時に感じていた、都会の“もろさ”についてのお話を伺いました。
 


ー美里さんの移住のきっかけはなんだったのでしょうか……?
 
昔から、いつか地域活性に関わりたいと思っていたんですよね。それがベースにはあるんですけど、暮らしの面で移住を考えるきっかけになったのは、隣人との騒音トラブルと、コロナ禍に「物流が止まると生活が危ぶまれるんだな」と思ったことです。
 

ー騒音トラブルはどういったものだったのでしょうか……?
 
当時住んでいたマンションに引っ越して初日。角部屋だったので、隣の高齢男性のお宅に「子どもが2人いるので賑やかにしちゃうと思いますが…」って挨拶をしに行ったんです。前のマンションの人たちはすごく理解があったので、そのつもりで行ったら……
 
「音ですか……前の住人はテレビを壁側に置いていて、朝早くからうるさかったんだ」と言って、すぐにわたしたちの家のテレビの位置と、音が響かないかを確認しに来たんです。そこからおかしいなとは思ったのですが……
 
それで音を吸収するクッションマットを張ったり、対策をしたんですけど、隣人の方の行動はエスカレートする一方で。共用部の廊下を通るときも子どもの声がうるさいって注意されたり、保育園から帰って来るところを監視されたり。最終的にはわたしが朝ご飯をつくる包丁の音まで注意されて……
 
そして、夫が初日の出来事で音に神経質になってしまっていて、子どもが音を出さないように、いろんなことを制限していたのも見ていて辛かったですね。わたし自身、1歳と3歳の男の子を相手に「静かにしなさい」と言わなきゃいけないのは辛かったです。本当は言いたくないのに…1歳と3歳の男子が静かに出来るわけないですもん!(笑)
 
三条市に来てからは、音を全く気にしなくていい生活になりましたね。ピアノもギターも笛も吹ける(笑)子どもたちが外を走り回っていれば手を振ってくれたり、なんならすれ違う車が減速して挨拶までしてくれることもあります。
 

ジョイントマットを敷き詰めた部屋で遊ぶ子ども

ー美里さんの住んでいる山の方のエリアだと、余計に子どもがいるのが珍しくて嬉しいんでしょうね(笑)先ほど、「物流が止まると生活が危ぶまれる」っておっしゃっていましたが、災害時に都会にいる不安があったのでしょうか?
 
コロナで緊急事態宣言に入ったときに、都会のスーパーからトイレットペーパー、マスク、カップラーメン、そのほかもいろんなものが消えたんですよね……都会は人口密度が高いので、例えばニュースで「〇〇スーパーではトイレットペーパーが入荷待ちの状態です」等の情報が流れると一気にどこのスーパーからも商品が消えていきます。ちょうどその頃長男を妊娠していたので、「コロナ疎開」と称して実家に戻っていたのですが、魚沼市のスーパーでトイレットペーパーやティッシュペーパーを買って車に積んで東京に戻りましたね。都会は生産地が遠いので、もしも物流が止まることで、食品がスーパーの棚から消えたら…と考えるととても不安になりました。また、子どもが生まれたあとにミルクやオムツが買えなくなったら困るな、と、すごく恐怖心を抱いたのを覚えています。
 
当時、マイナビ農業で移住支援の仕事をしていたんですけど、コロナで都会離れが起きて、地方に人材が流れるチャンスだという機運があって。そのときに、「非常事態に備えた避難訓練として、田舎(生産地)にもう1個拠点を持ちましょう」というのが少し流行っていたんです。
 
「地方に拠点を持つということは、自分の食べるものを守るということです」っていうのを見て、本当にそうだなぁと思って。それで「移住」を自分事として捉えるようになったっていうのはありますね。
 

ー「食べることを守る」……確かに大事ですね……
 
今年の米騒動とかもそうですよね。東京にいて米が買えなかったら焦っていたかもしれないです。自分は我慢出来ても、子どもに食べさせられないと思うと、自分も買占めに走ってしまっていたかもしれません……その点、今回は新潟にいたので安心でした。
 
今、庭付きの家を借りているので、来年からは畑も自分たちでやりたいなぁと思っています。
 

家の近くで山菜を収穫する様子

騒音で隣人トラブルが起きるのも、人口密度が高い都会では特に多い問題ですし、非常時の東京の様子も伺い、都会の脆さを感じました。
 
「都会に行けばなんでもある!」と思いがちですが、一番命に直結する食べ物が守れなければ元も子もありません。
 
わたし自身、新潟で暮らしていると、目の前に田んぼや畑があるので安心する感覚があります。さらに最近は農作業をするようになり、お米や野菜を育てる技術が培われて来てさらに食糧の不安から解放される感覚があり、都会よりもずっと安心して暮らせるなぁと感じます。
 
なので、今回の美里さんのお話は、すごく共感する部分がありました。
 
次回は、移住ママだからこそできるの地方での仕事とは?』というテーマでお話を伺います。移住を検討している人のなかでも、地方に仕事があるのかを気になっている方も多いのではないでしょうか。
 
美里さんが三条市に移住して感じる、地方と都会の仕事観の違いなどを中心にお伺いしていくので、次回もお楽しみに。
 
 
(インタビュー・文:内藤千裕
 

▼ワーママ移住コラム第1話はこちらをご覧ください!

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