見出し画像

#03 「地方には仕事がない」は嘘!?移住したからこそできる仕事とは【ワーママ移住連載】

子育てをしながら働く「ワーママ」として、都会の暮らしに限界を感じ、三条市に移住をするという決断をした美里さん。

第1話:都会のワーママが抱えるストレスと、そこから解放される「移住」という選択肢についてのお話はこちら

今回は、移住を検討する方が一番気になるであろう地方での仕事について。都会の仕事と地方の仕事を比較しながらお話ししてくださいました。


ー移住を決める際に、仕事はかなり重要な要素だと思っています。「地方には仕事がないんじゃないか…?」と不安な方もいると思うのですが、その点はどうでしょうか?

「地方には仕事がない」んじゃなくて、「地方には都会のような仕事は少ない」ってことだと思うんですよね。だから、地方には地方の仕事がたくさんあるよ!ということを伝えたくて。

地方だとやっぱり有形のもの、「農産物を作る」や「ものづくり」とか、要するに職人、手に職がある人が多いなと感じます。

都会の仕事はWebマーケティングや広告等、無形のものが多いと感じていて、そういう仕事のまま地方に行こうと思うと、確かに田舎に同じような仕事は多くないかも…。ただ、多くない分、重宝もされると思います。

ーなるほど。今までの都会での経験が活かされたと感じたことはありますか?

都会で見てきたものとか、都会で身につけた力、感性が、地方で重宝されることが多いんだなと感じています。1度外に出たからこそわかる地方の魅力ってありますよね。

例えば、わたしが今関わっている工場ひとつとっても今までの経験を活かせていると思ってます。

移住して来てから、今年の10月に開催された「燕三条 工場の祭典」で、ローカルラボ生として*近藤製作所で鍛冶体験を企画、運営をさせてもらいました。鉄の板を熱して叩いて、鉄フライパンを作る体験なのですが、なかなか体験できるものではないので申し込み開始後すぐに体験の枠が埋まって、県外からのお客さんに楽しんでもらうことができました。

*ものづくりのまち新潟・三条で1872年(明治4年)創業、鍛造による鍬をはじめとした農業用品製造の鍛冶屋。(https://kuwakaji.com/


燕三条ローカルラボの卒業式(下段右から2人目)

その時にお客さんに「なんでこういうことを企画しようと思ったんですか?」って聞かれて「近藤製作所に初めて行ったとき、鍛冶体験ってめっちゃおもしろいな!って思って、これは県外にも伝えたいし海外にも発信したい!と思ったんですよね」って話したら、お客さんもすごく共感してくれました。

でもお客さんが帰った後、その工場のお母さんに「おもしろいおもしろいって言うけど、なにがそんなにおもしろいの?わたしは50年もここにいるから、なんにもおもしろくもないわよ」っておっしゃっていて(笑)地元の人にとってはものを作る過程が見られるのがそれぐらい当たり前のことなんだと思うんですよね。

そういう風に、地方にはおもしろい文化や魅力がたくさんあるけど、ずっとその地域にいる人はそれが価値のあることだと気づけないことも多いなって感じます。実際、私も魚沼で育って幼少期はずっと魚沼産コシヒカリを食べていたので、魚沼を出るまではそれが「美味しい米」だと気づいていなかったです。でも、外に出て「魚沼産コシヒカリって美味しいお米だったんだ!」って気づいたように、外を知ったうえで地方に来ることで地方の価値に気づくことができて、気づけば言語化できたり、そしてその感性で新たな価値を作っていけると思います。

フライパン作り体験の様子

ーたしかに、そうですよね!一度外に出たからこそ再発見できる魅力があると思います。

ものづくりのまちに移住をしてきたことで、物がゼロから出来上がっていくプロセスを見ることができるのはすごくおもしろいです。都会はやっぱり完成品が並んでますよね。野菜で言えば「カット野菜」みたいな、もはやできた物(野菜)を見ることもなく、さらに加工された状態しか見ないことも多いです。

フライパンも同じで、都会では商品として並んでいる状態しか見ない。だからこのプロセスが全部見られることはすごくおもしろいし、興味を持ってくれる方が多いんだと思います。ずっと製造過程を見ている人にとっては、何の価値にもならない景色でも、わたしからしたらもう魅力でしかない。そういう魅力に気づいて、言語化して、発信して、ということが、気づけば仕事になっていましたね。

ーただ、魅力を可視化できたとしても、みさとさんのような企画力や、地方の人にその価値を説明して理解してもらう翻訳力、コミュニケーション能力が必要だなって思うので、誰にでもできるわけではないのかな、とも思うのですが……

コミュニケーション能力が必要って言うのはまさにそう。ただ、これはワーママに向けた記事、ということで言うと、ママって日々子どもに伝わるように話しているので、誰にでもわかる言葉選びを常に探しているんですよね。なので、むしろママってことが強みになると思っています。

子どもの質問って本当にすごいですよね。「なんで空は青いの?」とか言われてもなかなか答えられないし。この前も、「なんで誕生日ケーキは誕生日の人だけじゃなくてみんなで食べるの?」って聞かれたり……(笑)だから、子どもと向き合っているママは、田舎に来てもコミュニケーションは比較的得意なんじゃないかなと思いますね。

しかも、都会にいるとだいたい同じぐらいの世代の人としか関わらないけど、田舎にいると子どもから65歳くらいの人までは普通に日常的に関わるんですよね。そうやってコミュニケーションの幅が広がって、自然と訓練されるので、もともと比較的コミュニケーションが好きなママは、地方と都会を繋ぐようなコミュニケーションにも慣れていけると思いますね。


移住後に起業という新しい働き方をしているみさとさんから、移住者だからこそ気づいた地方ならではの魅力、起業へのつなげ方、子育てを通じて培うことのできるスキルなどについてお話をお聞きしました。

「地方には都会のような仕事がないだけで、地方には地方の仕事がたくさんある」という美里さんの言葉がとても印象的でした。

しかも、日々子どもと関わっているママだからこそコミュニケーションも活かせるかもしれないという観点は、納得できる部分も多く、仕事が懸念で移住を悩んでいる方にもぜひ知っていただきたい内容だなと思いました。

(インタビュー・文:内藤千裕

▼移住時の就職もしっかりサポートしています!こちらをご覧ください!

▼移住支援の具体的な内容についてはこちらをご覧ください!

▼ワーママ移住コラム第1回・第2回はこちらから!


この記事が参加している募集

最後までお読みいただきありがとうございます! 少しでも三条市での暮らしに興味をお持ちいただけたなら、いつでもお気軽にご連絡ください。