よくつくる、よくいきる⑤~はたらく人の幸せとは?~
みなさん、こんにちは!
令和4年度に策定した経済ビジョンに基づく、今年度の取組をシリーズで紹介しています。
これまでの記事はこちら
今回は、市内企業の労働環境改善のための施策についてお伝えします。
三条市ではたらく人の幸せ/不幸せ診断
三条市では今年、市内の企業で働く人を対象に「三条市ではたらく人の幸せ/不幸せ診断」を行いました。
この調査を実施したきっかけは、経済ビジョンの策定のために市内企業(対象は主に社長や管理職)に人材確保の現状をヒアリングした際、求人に対する応募が多い企業と少ない企業とが分かれていたことです。
詳しく聞くと、それらの違いは休日日数や福利厚生などの働く環境が1つの要因であるようでした。
これは、労働環境があまり良くない→求人を出しても応募が来ない→慢性的な労働力不足→労働生産性及び売り上げの低下→さらに無理をしての労働・・・といった悪循環につながりかねません。
そこで、まずは市内企業の労働環境について、実際に市内の企業で働いている人を対象に調査を実施しました。
それが、「三条市ではたらく人の幸せ/不幸せ診断」です。
「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」とは
調査結果
今回の調査対象は、業種、年齢、性別関係なく、市内の企業で働く人です。
それでは調査結果について、まずは三条市全体の結果からから見ていきましょう。
結果は各指標の全国平均と比べて示されています。
全体的に、全国平均に比べて幸せ診断指数が低く、不幸せ診断指数が高い、すなわちウェルビーイングな雇用労働環境に乏しいという結果となりました。
とりわけ全国平均との乖離がある項目の1つ目は「リフレッシュ(ほっとひと息)」です。これは、すなわち、休日が少ない(取りにくい)などによりワークライフバランスがうまく取れずリフレッシュできていない状況を示しています。
2つ目は、「チームワーク(ともに歩む)」です。こちらは、職場の人とのコミュニケーションがうまく取れない状況を示しています。
同じくあまり幸せ診断指数が高くない「自己裁量(マイペース)」と不幸せ診断指数が高い「理不尽(ハラスメント)」「自己抑圧(自分なんて)」とリンクさせて考えると、コニュニケーションが十分に取れないままに他人(上司)に理不尽に自分に合わない業務を押し付けられているような状況を想像できます。
続いて、製造業で働く人の回答に特化した結果を見ると
三条市内全体の数値と比較すると、さらに幸せ診断指数が低く、不幸せ診断指数が高いという結果となりました。
中でも、製造業という業種で特筆している項目は「不快空間(環境イヤイヤ)」でした。製造業という業種上、とりわけ製造現場での作業では、空調が万全ではなかったり、古い設備のまま使っていたりと、必ずしも快適な空間ではないことがこの結果から伺えます。
これらのことから、労働環境が良好でないことが、働く人の不幸せや人材不足の要因につながっていると言えます。
労働環境改善・働きがい向上モデル企業創出事業
調査の結果を踏まえ、今年度から三条市では労働環境改善・働きがい向上モデル企業創出事業を実施しています。
これは、市内企業の人材確保を後押しするため、多くの市内企業の参考になるモデル企業の創出に向けて、労働環境整備や魅力ある組織づくりに取り組む意欲ある市内企業に専門家派遣によるコンサルティング支援を実施するものです。今年度は、5社を支援しています。
具体的には、各企業に専門家を派遣し、現状分析・課題の洗い出しから戦略立案・実行までを協力して行います。
コンサルティングは3月まで続くので、現在まさに各社でプロジェクトが進行中です。
各社の課題としては、「完全週休2日制の導入」や「人事評価基準の設置」、「働く場(オフィス)の環境改善」などがあり、従業員目線でニーズが高いものが設定されています。
実際に、本事業を活用してこの1月から「完全週休2日制の導入」を決めた企業もあります。休日日数は求職者にとって優先度の高い条件である一方、単に休日日数を増やすだけでは企業全体の売り上げ低下につながる恐れがあるので、業務の効率化などを含めて検討する必要があります。自社だけでは判断が難しい部分もあるかと思うので、専門家の視点からアドバイスをいただけるとありがたいですよね。
この事業をきっかけとして、市内企業の良い変化を他の企業にも展開し、最終的に地域全体でのウェルビーイングを目指しています。