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よくつくる、よくいきる②~産業基盤を維持する~

三条市では、昨年度(令和4年度)、三条市経済ビジョン「よくつくる、よくいきる~豊かにいきいきと働き、技術力を基軸に時代とともに進化し続けるものづくりのまち~」を策定しました。
 
経済ビジョンに基づく今年度の取組の概要については、以前の記事でご紹介しました。

今回は、企業の後継者や引継ぎ等、いわゆる事業承継支援についてお話します。

事業承継問題、なぜ取り組むの?

「事業承継って、個別企業の話でしょ?」
「借り入れのこともあって銀行にはちょっと話ができていないんだけど、他に相談できる先はあるの?」
 
では、なぜ事業承継の問題に取り組む必要があるのか?
それは、「ものづくりのまち三条」を維持するためです。この地域がいつまでも「ものづくりのまち」であり続けるためには、必要な技術、人材、機械を残す必要があります。それが事業承継です。
 
親族が家業を引き継ぐ、長年共に切磋琢磨してきた従業員が引き継ぐ、第三者が新たな経営者として引き継ぐ、引き継ぐ形は千差万別ですが、その全ての事業承継の形を支援したいと思っています。

事業承継支援って具体的に何をするの?

 それでは、その支援のために具体的に何をしているのか。
 
事業承継に取り組む機関はさまざまです。
市役所、商工会議所、金融機関、事業承継・引継ぎ支援センター、各分野の専門家(弁護士、中小企業診断士、税理士など)それらの機関と連携して、三条市全体の問題としてどのような支援をすべきなのかを検討しています。
 
それぞれがそれぞれの立場で支援するので、市役所だけでは解決しがたい問題、金融機関だけでは解決しがたい問題、、、等、さまざまな課題が浮上します。そのようなことを各機関が連携することで、解決を目指します。

続いて、具体的に今年度実施してきたことを紹介します。

事業承継実態調査

市では夏頃、市内で製造業、卸売業を営む事業者に対して、事業承継実態調査を実施しました。ご回答いただいた皆様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 
細かい結果は現在精査中ですが、トピックとして気になるポイントをお知らせします。

①後継者未定

全国平均では50%を越える後継者不在(未定)率ですが、今回の調査では32.7%でした。
 
三条市の結果だけ見れば全国平均より低い数値となりました。その内訳は、必ずしも数年以内に後継者を決定させる必要がある企業ばかりではないですが、事業承継は一朝一夕にできるものではありません。しっかりと下準備をしておくことが大切です。

②廃業見込み

現在、既に後継者不在により廃業を考えている事業者は11.7%でした。例えば、先述の後継者未定企業がそのまま後継者が決まらないまま廃業の道を進むとしたら、トータルでは4割程ほどにまでのぼります。

そうなった際、廃業によりその技術が誰にも引き継がれることなく衰退することが危惧されています。

全国的には、黒字のまま廃業してしまう企業も少なくなく、年々増えているのが実情です。
誰にも相談しないまま、知らない間に廃業するような企業を1つでも減らし、どのような選択がその企業のため、引いてはこの地域のためになるのかを考えながら、それぞれが進むべき道筋を企業と支援機関がともに考えていきましょう。

③その他

後継者は決まっているが、事業承継はまだまだ考えていないという事業者も1割ほど見られました。中には、経営者の年齢が80代を過ぎている例もあり、急に経営権を譲らなけらばならない等の事態が起きたときの支援だけでなく、そのそもそのような事態にならないよう、事前に準備を済ませておく必要があります。

個別訪問

今回の調査では、約200社に企業名を記入していただきました。まずはこれらの事業者に直接コンタクトをとってお話をお聞きしているところです。

お伺いした中には、「漠然と考えていたがもやもやとしたものがすっきりして良かった。」といった声がありました。

今回、個別訪問している事業者は、多くても記名いただいた約200社ですが、その他にもお困りの事業者の一助になればと、市では、今後、事業承継に関するセミナーと個別相談会を予定しています。

誰かにちょっと話聞いてほしいな、、、」「考えなきゃなのは分かっているけど、何をしていいのかが分からない」「息子が帰ってこないけど事業は順調だから廃業は避けたい。どうしたらいいの?」

皆さんの悩みは多種多様で一概にセミナーに参加して解決できるものばかりではありません。

この機会にぜひ個別相談会をご活用ください。こちらは詳細が決まり次第、お知らせします。

また、個別相談会に限らず、市内(県内)には様々な専門機関への相談窓口があります。どこに話していいか分からないということがあれば、お気軽に三条市商工課や三条商工会議所、お取引のある金融機関など身近な方にご相談いただければと思います。

過去の事業承継セミナーの様子

おわりに

以上、今回は事業承継支援の取組をお伝えしました。
事業承継は、個社の問題ですが、それが集まれば、この地域の産業基盤全体につながります。
 
三条市がいつまでも「ものづくりのまち」であり続けるために、関係機関と連携して事業承継の取組を進めていきます。




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